糖尿病内分泌内科
診療科からのお知らせ
概要・特色
糖尿病およびバセドウ病(甲状腺疾患)などの内分泌疾患をあつかう診療科になります。
当診療科には『著しい高血糖、低血糖発作を繰り返す糖尿病患者さま』以外にも、
- 足(かかとなど)、足趾(足の指の先端や指と指のあいだ)の壊疽など糖尿病特有の足の皮膚の障害をお持ちの患者さま
- 重い糖尿病を合併した肺炎、尿路感染その他感染症をお持ちの患者さま
- 感冒(かぜ)、胃腸炎などを契機に著しく悪化した糖尿病をお持ちの患者さま
などが入院されています。
糖尿病内分泌内科
診療コラム
2026.10.01 掲載
NEW! 糖尿病の足病変について
NEW! 糖尿病の足病変について
糖尿病には、特有の合併症として「足病変」があります。いわゆる、足の組織が壊死(えし)してしまう状態のことです。
足病変(壊疽)が起こる背景には、次の4つの要因が深く関わっています。
| 主な要因 | 補足 |
|---|---|
| 1)足の血行障害 | 血液が十分に供給されなくなります ※ただし、血行に問題がない方でも足病変が起こることがあります |
| 2)神経障害による知覚低下 | キズや痛みに気づきにくくなります |
| 3)細菌感染 | 足病変の悪化に深く関わります |
| 4)高血糖 | 糖尿病の根底にある要因です |
どこに発症しやすい?
典型的な足病変の部位
典型的な足病変は、以下の部位に発症しやすい傾向があります。
- 足の指先
- 指と指の間
- かかと
悪臭や滲出液(しんしゅつえき)を伴うこともあります。この段階になると、自宅でのセルフケアは困難になります。
治療の基本
3本柱と抗生剤の使用
治療は次の3本柱が基本となります。
- 毎日の洗浄(清潔保持)
- 不良肉芽(治りにくい組織)の除去
- 血行改善を促す飲み薬を使用し、下から新しい肉芽の形成を促す
さらに、ほとんどのケースで細菌感染が関与しているため、抗生剤の注射を1週間前後併用することが一般的です。
※塗り薬の種類、ガーゼなどの被覆材の種類は、治療の成否に大きく影響しないことが多いです。
壊死が進んだ場合
切除が必要になることも
キズがミイラ化して黒く硬くなった部分(壊死組織)は、再生しないため切除が必要になります。ここまで悪化する前に、多くの方は医療機関を受診しています。
一方、じゅくじゅくして一見ひどく見えるキズでも、適切に管理すれば治癒が期待できるため、根気強くケアを続けます。
喫煙と足病変の深い関係
早期からの禁煙が重要
足病変のある方の多くに喫煙歴があります。逆に、喫煙歴のない糖尿病患者さまでは、血糖コントロールが悪くても足病変はまれと考えられています。
糖尿病の方・予備軍の方は、早期から禁煙することで将来の足病変リスクを大きく減らせます。
足にキズを見つけたら
早期対応が最大のポイント
糖尿病の患者さまが足にキズを見つけた場合は、すみやかにかかりつけ医や主治医など医療機関へ相談することが大切です。
早期対応が、重症化を防ぐ最大のポイントです。
2026.07.01 掲載
糖尿病の飲み薬の変遷について
糖尿病の飲み薬の変遷について
現在の日本では、表に示すように多くの種類の飲み薬(経口血糖降下薬)が使用できます。しかし約40年前、糖尿病の患者さまに投与できる飲み薬はSU剤(注)のみでした。
その後、新しい薬剤が次々と登場します。
| 薬剤分類 | 特徴 |
|---|---|
| SU剤 | インスリン分泌を促進する (注)SU剤(スルフォニルウレア剤)は膵臓に作用してインスリン分泌を促し、血糖を下げる薬です。 長い歴史の中で改良され、現在は主に グリメピリド と グリクラジド が使用されています。 |
| ビグアナイド系製剤 | 世界的な第一選択薬 |
| αグルコシダーゼ阻害薬 | 食後血糖の上昇を抑える |
| インスリン抵抗性改善薬 | 肥満を伴う糖尿病に有効 |
| DPP-4阻害薬 | 現在広く使用されている |
| SGLT2阻害薬 | 心臓・腎臓への効果も期待される |
| グリニド系薬剤 | 食後高血糖を改善する |
| GLP-1受容体作動薬 | 体重減少効果も期待される |
| イメグリミン塩酸塩 | 比較的新しい糖尿病治療薬 |
糖尿病の飲み薬の変遷その1
αグルコシダーゼ阻害薬の登場
(SU剤やビグアナイド系製剤の黎明期を経て)最初に登場したのがαグルコシダーゼ阻害薬です。
この薬は炭水化物の消化・吸収をゆるやかにすることで、食後の血糖値の上昇を抑える作用があります。また、胃を切除した後に起こる不快な症状(ダンピング症状:食後数時間後の低血糖症状)に有効であることでも知られています。
一方で、国内で劇症肝障害による死亡例が報告され話題となりましたが、適切に使用すれば現在でも有用な薬剤として使われています。
糖尿病の飲み薬の変遷その2
インスリン抵抗性改善薬の登場
次に登場したのがインスリン抵抗性改善薬です。
肥満を伴う糖尿病患者さまに特に効果が高く、ときには『ヘモグロビンA1cが2〜3%低下することもある』という、ほかの薬剤にはない特徴を持っています。
しかし、2種類ある薬剤のうち1つは重症肝障害による死亡例が報告され、日本では販売中止となりました。残る1剤は現在も使用できますが、心不全・むくみ・体重増加といった副作用が注目され、一部の医療者や患者さまの間で敬遠される傾向があります。
糖尿病の飲み薬の変遷その3
再び脚光を浴びたビグアナイド系製剤
以前から存在していたものの、長らく積極的に使われてこなかったビグアナイド系製剤(主にメトホルミン)が再評価され、世界的に重要な薬剤となりました。
欧米では、
- 腎機能が高度に低下している場合
- 妊娠中の場合
などを除き、糖尿病治療の第一選択薬として推奨されています。
『まずメトホルミンを使用し、その上で他の薬剤(インスリンを含む)を追加する』という治療方針が国際的な合意として示されました。
豆知識!
妊娠中に使える飲み薬は今も存在しない
これだけ多くの薬剤が登場した現在でも、妊娠中に使用できる“飲み薬”は1つもありません。
今でも糖尿病合併妊娠・妊娠糖尿病の治療に使えるのは、インスリン“注射”のみです。
2026.04.06 掲載
肥満とインスリンと糖尿病
肥満とインスリンと糖尿病
体重(kg)を身長(m)の2乗で割った値をBMI(Body Mass Index)と呼び、25.0を超える場合を一般に『肥満』と定義されます。
肥満をひとが気にする理由としては、美容的な側面が大きいかもしれません。また、肥満したからといって全員が糖尿病を発症するわけではありません。肥満でも糖尿病にならない方がいるのは事実ですが、それを手放しで喜んでよいかというと、必ずしもそうとは言えません。今回はその理由についてのお話です。
日本人は一般的に、摂取カロリーの約6割を炭水化物から得ているといわれています。炭水化物(ご飯、パン、麺類、お菓子など)を多く摂取しても、それを『処理』できるだけのインスリンが体から十分に分泌されていれば、炭水化物から転換された『ブドウ糖』は脂肪に転換され、血糖値(血中のブドウ糖濃度)は上昇しません。その代わり、体には脂肪がどんどん蓄積されていきます。インスリンは『同化ホルモン』であり、ブドウ糖を脂肪に変えて体に蓄える働きを持つためです。
中年期以降、好きなだけ食べても血糖値が上がらず、糖尿病と診断されない方がいますが、これは大量のインスリンが分泌されているためです。その結果、インスリンの同化作用によって脂肪が蓄積し、体重は増加していきます。
一方で、ある年齢を境にインスリンの働きが弱くなったり、分泌量が減ったりすると、血糖値が上昇し始め、糖尿病あるいは糖尿病予備軍の状態になります。これはこれで大きな問題です。
糖尿病とは、インスリンの同化作用とは逆の『異化』が体内で発生する状態です。体重が減る、あるいは増えなくなる一方で、血液中のブドウ糖は行き場を失い、血糖値が上昇します。糖尿病の方で『若い頃の半分の体重になった』という症例は珍しくありません。
中年期以降、一度増えてしまった体重はなかなか減りにくくなります。過度な食べ過ぎが続くと、人は最終的に『肥満が進む』か『糖尿病を発症する』かのどちらかに向かいます。糖尿病に関わる医師や医療者を含め、食べ過ぎには注意したいものです。
2026.01.26 掲載
体重減少効果も期待できる新しいタイプの糖尿病治療薬『セマグルチド』
体重減少効果も期待できる新しいタイプの糖尿病治療薬『セマグルチド』
これまでの糖尿病治療薬は、
- インスリン
- SU剤(経口血糖降下薬)
に代表されるものが主流でした。これらは『血糖値の改善効果には優れているものの、食事管理をきちんと行わないと体重が増加しやすい』、つまり太りやすい薬剤でもあります。
その後、体重に影響を与えにくい薬剤も多く登場しましたが、インスリンやSU剤は現在でも広く使用されています。
近年では、血糖値の改善効果に加えて、体重減少効果も期待できる新しいタイプの糖尿病治療薬が登場しています。そのひとつが『セマグルチド』という薬剤です。
この薬には主に以下の3つの効果があります。
- 過剰な食欲を抑える
- 体重を減少させる
- 血糖値を改善する
『セマグルチド』の効果は、(全く同じ成分でも)剤形や用量によって異なります。
効果が穏やかな順に並べると、以下のようになります。
| 血糖値改善 および 体重減少効果 が穏やかな順 | 『セマグルチド』の剤形や用量 |
|---|---|
| レベル1(最も穏やか) | [経口薬] リベルサス 3mg錠 |
| レベル2 | [経口薬] リベルサス 7mg錠 |
| レベル3 | [経口薬] リベルサス 14mg錠 |
| レベル4 | [週1回の注射製剤] オゼンピック皮下注 1.0mg |
| レベル5 | [週1回の注射製剤] ウゴービ皮下注 1.7mg |
| レベル6(最も強い) | [週1回の注射製剤] ウゴービ皮下注 2.4mg |
個人差はありますが、期待できる体重減少はおおよそ2〜3kgから最大で20kg程度とされています。ただし、最も効果が穏やかな、レベル1の『リベルサス3mg錠』でも、5〜10人に1人は吐き気などの副作用が強く、治療を継続できないケースもあります。
2025.06.10 掲載
世界初!週1回投与のインスリン注射『アウィクリ』
世界初!週1回投与のインスリン注射『アウィクリ』
インスリン療法には現在、
- 1日1回の注射で時間を問わず(夜中でも可)
- 食前後いつでも注射することができ
- 日によって注射する時間が大きくずれてもかまわない
という便利なタイプのインスリンが頻用されていますが、最近、週1回投与のインスリン注射『アウィクリ』が登場しました。
先述のインスリンとの比較臨床試験において効果、低血糖の危険性いずれも非劣性(劣っていないこと)が証明された『アウィクリ』という、週に1回の注射ですむインスリンが使えるようになりました。
対象の患者さまは以下のとおりです。
- 食べる量または投与カロリーがほぼ一定
食事量がばらばらの高齢者の方では当然低血糖をおこしてしまうため、一般的に不向きと考えられています。 - 低血糖に適切に本人または周囲が対応できる
この2つが、導入・切り替えの条件になります。
どうしても家で毎日注射を打つことができない患者さまや、胃瘻からの栄養でカロリーが決まっている患者さまなどで、ご家族の負担を軽減することができます。是非、糖尿病内分泌内科にご相談ください。
医師紹介
専門医等資格
- 日本糖尿病学会糖尿病専門医・研修指導医
- 日本リウマチ学会リウマチ専門医・指導医
- 労働衛生コンサルタント
- 医学博士(名古屋大学/1997年)
専門分野
- 糖尿病
- 膠原病
医療に対する方針・理念
信頼される医療
専門医等資格
- 日本内科学会内科認定医
専門分野
- 糖尿病
- 内分泌内科
医療に対する方針・理念
個々の患者さまに最適な医療を提供することを心がけています。
専門医等資格
- 現在準備中です。
専門分野
- 糖尿病
- 内分泌内科
医療に対する方針・理念
現在準備中です。
専門医等資格
- 現在準備中です。
専門分野
- 糖尿病
- 内分泌内科
医療に対する方針・理念
現在準備中です。
専門医等資格
- 現在準備中です。
専門分野
- 糖尿病
- 内分泌内科
医療に対する方針・理念
現在準備中です。