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当院では平成27年11月9日よりCT装置を16列CTから更新し、320列CTが導入されました。
この装置は以前のCTに比べて撮影スピードが格段に速くなりました。心臓や脳なら1秒ほどで撮影できます。肺から骨盤部までの撮影では以前は30秒ほどかかっていましたが、320列CTでは5秒ほどで終わってしまいます。そして被ばく線量を抑えながらも高画質な画像を得ることができ、患者さまの身体的負担も少なくなりました。
また当院では新たに心臓CTや大腸CTも開始していきます。これによって冠動脈の狭窄・閉塞などの診断や、大腸ポリープ・大腸癌の診断も行えるようになりました。
それでは320列CTについて詳しく説明いたします。 |
以前の16列CTは広範囲を撮影するために、寝台を少しずつ動かしながら時間をかけて撮影していました(参照:図1)。しかし320列CTではX線を出す装置が1回転するだけで16cmという広範囲が撮影可能になったので、脳や心臓なら寝台の移動無しで1秒ほどで撮影を終わることが可能です(参照:図2)。特に心臓においては最短の0.275秒という速さで撮影は終わってしまいます。そのため呼吸停止時間も短く済み、静止できない乳幼児でもブレの少ない画像が得られます。
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320列CTは一度に撮影できる範囲が広いため、以前のCTと比較すると被ばく線量は約1/4にまで低減されます。しかし少なすぎるX線量で撮影してしまうと、画像としては不鮮明になることがありますが、この装置にはその不鮮明さを自動で調整する機能を搭載しており、少ないX線量でも高画質で画像を作成できます。 |
病変の範囲の確認、病気の確定診断、血管の狭窄の有無の確認など理由は様々ですが、より詳細に撮影するために造影剤という薬を使用することがあります(すべての患者さまではなく、必要に応じて行います)。16列CTでは造影剤総量が70〜100ml必要でしたが、320列CTでは50mlと約半分の量で検査可能になり患者さまの身体的負担が軽減されます。 |
冠動脈CTは造影剤を点滴して、心臓全体を撮影していきます。これによって冠動脈の狭窄・閉塞の診断、また冠動脈の動脈硬化の評価などが行えるようになります。短時間で撮影できるので、細い血管の先端までより詳細に描出可能です。冠動脈CTは平成27年12月より開始しています。そして平成28年4月からは大腸CTを実施しています。この検査は大腸に炭酸ガスを注入して撮影し、大腸をまるで内視鏡でみているかのような3D画像を作成して大腸ポリープや大腸癌の診断を行います。 |
このように320列CTの導入により今までよりも幅広い検査が可能になりました。これまで以上により良い診断と医療の提供を目指して努力してまいります。 |
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