知っていればその時役立つ話-その3-

3 マンスリー済衆館だより 希望 第96号(2015年3月号)より べんぴ…便秘…困りますね ちょっと便秘の種類を考えてみましょう。 そもそも便秘とは、排便しにくいことで、2・3日以上も便が出ない、回数が減り、便の量も少ない(35g/日以 下)、硬い便となり、時に腹痛やお腹が張ってくることをいいます。 ☞便秘には、どんな種類があるのでしょうか? 器質性便秘と機能性便秘とがあります。 器質性便秘は腸管全体の器質的異常、例えば先天性巨大腸症・後天性結腸腫瘍・クローン病などの炎症性 腸疾患による狭窄によって起こります。 機能性便秘は腸全体の器質的異常がないもので、一過性便秘と常習性便秘に分けられます。 1.一過性便秘は 食事の内容や朝食の時間、排便のタイミングで変わります。対応は水分の摂取や時には浣腸をします。(但し 浣腸の乱用はよくありません。) 2.常習性便秘は 生活習慣や精神的要因が関係します。この便秘には、直腸性・結腸性・痙攣性・薬剤性の4つのタイプに分け られます。また、辛い便秘の解消を下剤服用に頼ることは、根本的な解決にはなりません。 ☞それぞれの便秘の対応はどうしたらいいの? 1)直腸性は、便意があるのに我慢した場合や下剤・浣腸の誤用あるいは乱用により、直腸壁の刺激感受性 が低下して便意を感じなくなり、正常な排便反射が起こらず、便が直腸に貯留され便秘を引き起します。 これらは、女性に多く見られます。朝のトイレタイムにゆとりを持つことが改善策となります。 *本来、自ら備わっている身体の生理機能(排便反射)を促す為には、便意がなくても必ずトイレに行 く習慣を身に付けることで、排便習慣が確立されていきます。 2)結腸性は、腸管の蠕ぜん 動どう 運動(腸の収縮運動)が鈍くなることで、腸内容物の通過が遅れるため、腸管が水 分を過剰に吸収してしまいます。そのため、便が固くなり排便し難くなります。高齢者、無力体質者、長期臥床 者によく見られます。水分摂取や食物繊維を多く含む食物を摂り、適度な運動や少なくとも一日1回の定時的 な排便習慣をつけましょう。 3)痙攣性は、ストレス、自律神経の乱れ、副交感神経の過緊張などが原因で結腸が過剰収縮します。そのた め、腸管内容の直腸への流れが遅れ、水分が過剰吸収されることにより便は兎糞様となります。また、腹痛、 抑うつや不安などの精神症状や多彩な身体症状を伴うことが多いことが特徴です。この便秘症状は、若い方 に多くみられます。患者の不安を取り除いた上で、生活指導や抗不安薬の投与が改善策となります。医師にご 相談下さい。 4)薬剤性は、長期的に使用する抗うつ剤や癌の痛みを緩和する薬剤(麻薬など)、降圧剤など、投薬を中止 することが出来ない薬の作用により、便秘になることがあります。この場合も医師へご相談下さい。 食生活、排便習慣の改善、適度な運動を行った上で何をやっても改善しない場合や、便に血や粘液が混 ざったり、腹部のしこりや激しい腹痛・嘔吐、発熱を伴うなどの症状がある場合はなるべく早く医師にご相談 下さい。 “快便ですっきり”気持ちのいい一日を過ごしましょう。

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