知っていればその時役立つ話-その3-

29 ご存知ですか?今、勧められている肺炎球菌ワクチン 2種類の肺炎球菌ワクチンPPSV23(ニューモバックス)・PCV13(プレベナー)のお話です。 マンスリー済衆館だより 希望 第122号(2017年5月号)より ●65歳以上(シニア用)の肺炎球菌ワクチンPPSV23(ニューモバックス)の定期接種(公費助成負担) は、平成26年10月1日より開始されています。 ●小児(乳児用)の肺炎球菌ワクチンPCV13(プレベナー)は平成25年11月より開始されています。 肺炎球菌ワクチンについてもう少し詳しくお話しいたします ■肺炎球菌ワクチン〔PPSV23(ニューモバックス)〕の対象は65歳以上の方に5年間隔で接種 でき公費負担は1回のみ(平成31年3月で終了)です。 今年度の対象の方の接種期間は、平成29年4月1日から平成30年3月31日までとなります。 ■肺炎球菌ワクチン〔PCV13(プレベナー)〕は、ある種のリンパ球に直接作用して長期免疫の 持続が期待され、小児のみならず65歳以上の方も任意接種ができるようになりました。 肺炎は日本人の死因の第3位である主要な疾患であります。死亡数の95%以上を65歳以上が占めると報告 されています。また、肺炎球菌感染症は頻度が高く、しかも重症化しやすく、65歳以上のシニアにおいては、肺 炎球菌が肺炎の原因菌の第1位を占めています。 肺炎球菌ワクチン〔PPSV23(ニューモバックス)〕は、1988年に薬事承認されて以降、これまでの日本にお ける65歳以上のシニアに対する接種による安全性、臨床効果、費用対効果等の評価から、2014年10月より定 期接種が開始されることになりました。 肺炎球菌結合型ワクチン〔PCV13(プレベナー)〕は、2014年6月に65歳以上のシニアに適応が拡大された ことから、PCV13(プレベナー)を同対象年齢に対して、任意接種ワクチンとして接種することが可能になって います。上記2種類のワクチンの接種方法、間隔が大切ですので接種前にはご相談ください。 ぜひ知っておきたい肺炎球菌の特徴とPCV13(プレベナー)および、PPSV23(ニューモバックス)の2種類のワクチンについて 肺炎球菌は、グラム陽性双球菌に分類される上気道の常在菌です。小児の20-40%、成人の5-10%が保 菌しており、肺炎や髄膜炎などの重篤な感染症を引き起こします。莢きょう膜まく(細胞壁の外層)の性質により94種 類の血清型に分類され、そのうちの約30種類に病原性があるとされています。肺炎球菌ワクチンは、1927年 に米国のメルク社によって莢膜多糖体型肺炎球菌ワクチン(PPSV)として開発されました。1983年には現在 のPPSV23(ニューモバックス)が米国で認可され、2013年にはPCV13(プレベナー)が使用可能となりまし た。PCV13(プレベナー)のワクチンは成人に対する予防効果、および免疫効果がより期待され、我が国でも 2014年6月に65歳以上のシニアの方にも接種(任意)が可能となりました。 さいごに:このワクチンの接種方法 日本では、2種類の肺炎球菌ワクチンの適切な接種方法が勧められています。現在は、PCV13(プレベ ナー)は1回のみ可能なワクチン(任意接種)です。PPSV23(ニューモバックス)は定期接種(1回のみ公費負 担)制度を受けることができます。 ○PPSV23(ニューモバックス)を以前に受けたことがある既接種者(シニア)の方で今後、PCV13(プレベ ナー)および、PPSV23(ニューモバックス)の追加接種をお考えの方 ○はじめて肺炎球菌ワクチンを受けられるシニアの方で最初にPCV13(プレベナー)を接種後、半年から4年 以内にPPSV23(ニューモバックス)の定期接種をお考えの方 ○その他、肺炎球菌ワクチンについてよく分からない方 当院のホームページでも肺炎球菌ワクチンのご案内させていただいていますが、ご不明な点がありましたら お気軽にご相談ください。 小児科より 肺炎球菌は小児の細菌性髄膜炎の20%を占めるといわれる病原菌です。細菌性髄膜炎は、早期発見が難 しく、治療も困難なことが多く、命を落としたり重い後遺症が残ることがある病気です。細菌性髄膜炎にか かった小児のうち、約半数が免疫力の弱い0歳児のため、早めの予防接種が望まれます。 ○小児の肺炎球菌ワクチン〔PCV13(プレベナー)〕の標準的な接種スケジュール 初回接種として生後2か月から接種を開始して、27日以上の間隔をおいて3回接種します。その後、追加接 種を初回接種3回目後60日以上の間隔をあけて1回行います。 当院では、小児の肺炎球菌ワクチンは平成23年9月よりPCV13(プレベナー)を開始しています。

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